「松原ガレッジ」のブログ

大阪府松原市にあるウェブ開発・HP制作をするところ。管理人が思ったことや困ったこと、課題についてまとめていきます。

【読書感想】Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

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こんにちは! 大阪府松原市でウェブを中心としたソフトウェア開発を行っています。

コワーキングスペース松原ガレッジスタッフの櫂谷です!

先日、当事業で課題図書として指定されている TeamGeek という本を読みました。

ソフトウェア開発の本だけど全くプログラムの事が書いてない本で、ITの仕事をしていない人にも通じるエッセンスがたくさんありましたので一部共有できればと思います。

本書のミッションステートメント

「プログラマがソフトウェア開発を効果的かつ効率的にするために、他人の理解・コミュニケーション・コラボレーションの能力を向上させることである。」

ソフトウェア開発ではプログラミングやデザインなどの技術力が必要不可欠なことは言うまでもないけれど、本書は技術書ではなく、チームでソフトウェア開発をする時の人との接し方の心得・アンチパターンの数々が纏められている本。

プロダクトに関わる人たちといかに潤滑にコミュニケーションを取るかで、成果物のクオリティ、ローンチのスピードが向上するでしょうし、何よりいい気分で仕事ができますよね。

HRTの精神

本書の象徴的なテーマが「HRT」、下記の3本柱。

謙虚(Humility)

尊敬(Respect)

信頼(Trust)

著者は「あらゆる人間関係の衝突はHRTの欠如によるもの」と述べています。ソフトウェア開発だけでなく、すべての人の生活にとって重要な3要素。HRTが欠如すれば自分のエゴが強くなり、周囲の人を圧迫したり、プロダクトを私物化して客観的な行動ができなくなります。

自分のエゴを押し付けるのではなく、HRTの元に「いいプロダクトにしたい」というチーム全体のエゴを優先しましょう。

隠したらダメになる

隠してしまうと失敗のリスクが増えるし、成長の速度が遅くなります。

自分のコードに自信がなくて公開しなかったり、アイデアを温め続けて人に伝えなかったりするのはとてもよくわかります。

だけど、早い段階でアイデア、プログラムを共有してアドバイスをもらった方がいい結果を得られます。 その方が早く解決策を知れるし、もしかしたら手伝ってくれるかもしれません!

積極的に共有して、成果物を磨いていきましょう。

早い段階で失敗・学習・反復する

Google社員の著者は下記の様に述べています。

なんとなく使えるようになったら、生煮えでもリリースして公開する。成功や失敗がすぐにわかるので、プログラミングチームは学習・反復が可能になり、できるだけ早い段階で新しいバージョンをリリースできるようになる。

不具合が出て対応に追われるかもしれませんが、そのリスクを取れば早期でブラッシュアップができます。 リスクを取って攻めていきましょう!

チームに変化を引き起こす

不可能な目標を達成しようとすると失敗する可能性が高くなるけれど、簡単なことをするよりも挑戦する方が成長します。

でも人も会社もリスクに恐怖し、排除する事に必要以上のコストをかけてしまうというのはよくある事。

チームがリスクをとって挑戦しやすくする為に、安心感を与える働きかけをしましょう。

あなたがマネージャーの場合なら具体的には、失敗してもいい(同じ失敗を繰り返さないかぎり!)ということをチームに知らせます。

個人の成功はチームの前で称え、個人の失敗はプライベートで建設的に批判しましょう。

チャレンジングな文化がチームにできるし、スタッフが技術習得に前向きになりそうな、いい働きかけですね。

ユーザーに集中すれば、他のことはすべてついてくる。

Googleの大きなブレイクスルーの一つは、検索広告の効果測定を始めたことだと記されています。

広告主(クライアント)ではなく、検索者(ユーザー)に注目し、仕様をユーザーにとって心地よい物にすることによって、プロダクトの有効性が劇的に高まります。 ユーザーにとって気に入らない広告はボタンで任意に消す事ができる仕様を追加しました。クライアントの身になって考えると広告を非表示にするなんて持っての他だと思いますが、この仕様によってよりユーザーに望ましい広告が届くようになりました。

  • 想定するユーザー層のリテラシー、技術力などの属性を想定してプロダクトの仕様を決める。
  • プロダクトは第一印象が超重要!人も一緒で、第一印象は記憶に残る。とっつきやすい操作感やUIデザイン等、ユーザーフレンドリーな工夫をしたい。

速度は機能

GoogleMapで特に公表もせずに大幅な速度改善が行われた数日後に、利用のアクティビティグラフが大幅に継続的に向上しました。

Googleの創業者たちも「速度は機能である」と述べています。

速度改善は派手さに欠ける印象がありますが、「速度は機能」のセリフを持って向き合っていきましょう!もちろん実施する場合はアナリティクスなどで効果を測定して評価していきたいですね。


他にも、本書には「有害な人を対処する」や「組織的操作」という社内政治的な章もあってバリエーションが多く面白かったです。

HRTが根付いた、お互いを尊重しあえるチームだったら長く一緒に働きたいと思うし、より貢献したいし、仲間に加わりたいと思いますよね。 逆にHRTを欠いたリーダー、メンバーがいるチームからは一刻も早く逃れたいです!!

ソフトウェア開発はいい状況ばかりではないけれど、HRTを実践できれば素敵な人生を送れそうですね!